おはようございます😊☕☀️
オーストラリアで派遣保育士をしているカーリーです😊
突然ですが、「モンテッソーリ」と聞くと、みなさんは何を思い浮かべますか?
初めて聞く言葉だなぁ、小さな子どもたちが園で自由に活動しているアレでしょ、うちの子もモンテッソーリキッズだよ!
いろいろな声が聞こえてきそうです。
私はシドニーのモンテッソーリ園で6年間働いていました。そこでは、子どもたちが各自のペースで、「自分でできた!」という体験をし、それぞれがいきいきと、楽しみながら学んで成長していく様子を見てきました。
そしてその当時、同僚のベテラン先生が教えてくれて驚いたことがあります。
実は、モンテッソーリの考え方や方法が、認知症を持つ高齢者へのケアにも応用することができると考えられているというのです。
それから年月は経ち、私自身がそのケア方法に再注目していること、今年の大阪•関西万博でも出展されるということから、今回は、モンテッソーリ教育がどのように認知症のケアに生かされているのかについて、ご紹介してみたいと思います。
🌻モンテッソーリ教育とは?
モンテッソーリ教育は、イタリア初の女性医師であり教育者でもあったマリア・モンテッソーリが考案した教育法です。一人ひとり違う成長や興味に添いながら「お仕事/work」と呼ばれるアクティビティを通して個々のペースで学んでいきます。
大人は、子どもが「自分で選べる」「自分でできる」環境を整える役目ということが特徴です。
この教育法では、大人が一方的に教えるのではなく、子どもの様子をよく観察し、その子が興味を持ったことや、できることに合わせてサポートしていきます。「自立」「尊厳」「選択」「観察」。
これらがモンテッソーリの大切なキーワードです。
🌻モンテッソーリの考え方を高齢者ケアに
このモンテッソーリの考え方を、認知症のある方へのケアに応用したものが「モンテッソーリケア」と呼ばれています。
年を重ね、記憶や判断力が衰えてきたとしても、「人としての尊厳」や「自分でできること」への気持ちは変わりません。モンテッソーリケアは、そんな思いを大切にしながら、「できること」に焦点を当て、本人の力を引き出していくケア。
「できなくなったこと」ではなく、「まだできること」「やってみたいこと」に目を向ける。この視点の変化が、ケアする側にも大きな気づきを与えてくれます。
🌻モンテッソーリを認知症ケアへ取り入れた例
特別な道具や知識がなくても、日常の中で工夫できることがたくさんあります。
たとえば:
・食事の準備の手伝い
テーブルにお箸を並べたり、コップを配ったり。簡単なことでも「役割」があると、やる気が違ってきます。
・洗濯物をたたむ
指先や手を使うことで、運動機能や記憶が刺激されます。
・植物のお世話をする、花を生ける
色や香りを楽しみながら、五感を使っていくことのできるアクティビティです。
・選べる環境を作る
「今日着たい服はどっち?」「お茶にする?それともコーヒー?」と、選択肢を与えることで、自分で決める喜びが生まれます。
・視覚的にわかりやすい工夫
引き出しや棚に写真やイラストを貼って、どこに何があるのかがひと目でわかるようにするだけでも、混乱が減り、安心感が増します。
高齢者は子どもと違い、文字を読むことができるので、いろいろな場所に「サイン」を標示することで行動の補助になります。交通標識が黄色と黒の組み合わせのため、黄色い付箋に黒い文字で書いたものは特に認識されやすいようです。
🌻子どもと高齢者の共通点は?
「大切にされている」「信頼されている」と感じたときに、安心して本領発揮できたり、
小さな「できた!」が自信になったときに、能力以上のパワーが出てくることがあったり、
それは多くの人に共通することかと思います。
また「誰かの役に立てた」「自分にもできることがある」この感覚は、年齢に関係なく、その人に喜び、やる気、動機をもたらしてくれるのではないでしょうか。
🌻もっと学んでみたい!そう思われた方には
・日本モンテッソーリケア協会

モンテッソーリケア最新情報はここでチェックできます。
・大阪•関西万博 (7月8日〜14日)

上記の日本モンテッソーリケア協会、大阪大学、NEC Beyond 5G協働研究所がタッグを組んで「未来社会ショーケース事業」に参加。
またとない万博の機会に、まずは覗いてみることから始めるのもよいかもしれません。
🌻最後に
モンテッソーリのアプローチは、「できることを見つけるケア」。その視点を持つだけで、関わり方がぐんと変わってくることもあります。
もちろん、認知症の方、高齢者のケアは、疲れることや戸惑うことや悲しくなってしまうこともたくさんあります。
だから、完璧でなくてもいい。
今日も、できるだけ、
誰かの“できた!”を一緒に喜べますように😊
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